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あ、どストライクだ!?
心の中でこう思ったが、この気持ちを隠して席についた。
初めての海外への旅の緊張と、そのお嬢さんへの感情が入り乱れ、私は、テンパり続けた。
キヨッピヨの女性経験
ちなみに私は、当時23歳だったが、一度も彼女ができたことがなかった。
なんだったら、人を好きになったのも数回くらいで、この時の感情にかなり戸惑ったことを覚えている。
恥ずかしいからあまり言ってないが、包み隠さずに言うと、女の子と会話をしたことすらもほとんどなかった。
これまで、ずっと男女共学の学校に通っていたにもかかわらずだ。
男友達は多い方だったが、女の子とは、業務的な用があるときにしか話したことがない。
なぜか、女の子と話す場面になると緊張してしまう。
女性恐怖症?
とにかく、話し方がわからない。
いやっ、一度くらいは、あったかなぁ~(笑)。彼女らしき人ができたことが。自衛隊の時に。
そのエピソードについては、また後程話すとして。
とりあえず、何をするわけでもなくじっと機内で座った。
右では、白人のおっさんがガサガサと音を立てながら何かをしているのをよそ目に、じっと息をこらえて。
息をこらえる必要はないんだが、人間どうしたらよいのかわからなくなるとこうなるもんだ。
この時間がひどく長く感じ、苦痛だった。
あと、10時間以上もこうしてなきゃいけないのか。
緊張する機内でのディナー
そうやって耐えていると、CAが前からやって来るのがわかった。
どうやら、ディナーの時間らしい。
フィッシュ OR チキン?
フィッシュ OR チキン?
・・・・。
CAが、前から順番に迫ってくる。
あたふたしながら、どうしようか迷う。
正直に言うと、この時の私は、女性恐怖症なだけでなく、対人恐怖症でもある。
知らない人と話し慣れていないせいか、何を話してよいか困ってしまう。
そういう状況が積み重なると、自分の行動の全てが間違えているように思えてくる。
そんなネガティブ思考の自分を変えるために、フレンドリー代表の国オーストラリアを目指している。
謙虚で後ろ向きな日本のこのお国柄を捨て、性格改革のために。
そして、私の順番が回って来た。
Chicken please.
日本人なのになぜか、英語で答えてしまった。
何事もなく、その場は凌げたが、隣の彼女に外国人だと思われてしまったかもしれない。
この時の私は、黒縁メガネをかけていたこともあって、日本にいても韓国人に間違えられることがよくあった。
だから、きっと彼女も私のことを韓国人だと思っている。
そして、チキンが来た。
チキンのところに。
どうやって、食べようかな?
自分でもなぜそうしたのかわからないが、とりあえず、出来るだけ挙動を少なくして、このチキンを食べるように心がけた。
彼女に挙動不審と思われないためだ。
しかし、それがかえって挙動不審になってしまったかもしれない。
心を落ち着かせるために、お酒を飲む
食事が終わって、周りでお酒を注文する人がちらほら出てくるのに気づく。
どうやら、無料でお酒が飲めるみたいだ。
だが、確信は持てない。
これから1年間オーストラリアで過ごすというのに、所持金は7万円。
ここで、また出費になると厄介だ。
飲んでもいいものか???
でも、この緊張感は、酒でしか取り除けない。
私は決意し、CAを呼んだ。
お酒がほしいのですが、無料で飲めるんですよね?
長めのセリフを日本語で言ってしまった。
CA
はい、無料です。
彼女のことが気になって、チラッと振り向いてみると、笑っていた。
日本人だと言うことがバレたみたいだが、クスッと笑っていたので、ひとまず、少し安心してワインを頼んだ。
この時、なぜワインを頼んだのかは、はっきりしていないが、たぶん、私のことだから恰好をつけたかったのだろう。
今考えると、ワイン=かっこいいは、浅はか過ぎると思う。
飲んだこともないワインをどうやって飲もうか考えていると、
隣の彼女
日本人の方なんですか?
彼女が私に話しかけてくれた。
つづく
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