この記事は、退職前に残業3ヶ月間連続で45時間以上することで「自己都合」を「会社都合」退職に変更できる方法についてまとめました。
皆さん、こんにちは。キヨッピヨと申します。私の経験を基に失業保険の記事を書きました。残業が多いことを理由に退職を考えている方にメリットとなる可能性がある記事ですので、ご一読いただけますと幸いです。
失業保険の受給資格の有り無しで、退職後の生活は大きく変わります。
国民健康保険、国民年金、住民税…等。
退職後は、これまで会社が自動的に支払ってくれていた費用を自分で払わなくてはならなくなります。
しかも、国民健康保険や住民税は、働いていた時(前年度)の給料を基に算出されるので、収入がない人にとってはとても大きく感じられます。
このような状態になると、家計は圧迫され、転職活動に支障をきたしてしまいます。
そうならないためにも退職前にしっかりと準備しておく必要があります。
しかし、仕方のない理由があり、準備できずに辞めてしまう事もあると思います。
この記事では、「自己都合退職」で既に退職してしまった人に向けて書きました。
【失業保険】受給前の待期期間と給付制限
失業保険は、受給の手続きをすると、すぐにもらえる訳ではありません。
退職理由によりもらえるタイミングも変わりますので、注意しましょう。
退職理由:「自己都合」
受給手続き ⇒ 待機期間(7日間) ⇒ 給付制限(2か月間) ⇒ 給付開始
⇒ ハローワークより定められた給付日(給付制限解除から1か月以内)
★受給は、受給手続き日から約3か月前後
退職理由:「会社都合」
受給手続き ⇒ 待機期間(7日間) ⇒ 給付開始
⇒ ハローワークより定められた給付日(待期解除翌日から1か月以内)
★受給は、受給手続き日から約1か月前後
「自己都合退職」と「会社都合退職」の大きな違いは、2か月間の給付制限の有無です。
失業保険は、失業している人が受けることのできる給付金なので、原則、期間内は仕事をしてはいけません。(条件付きでアルバイト等できることもあるので、詳しくは、ハローワークでご確認を。)
なので、初回給付日までは無収入となります。
無収入の状態で転職活動をするとなると、かなり状況が厳しくなると思います。
焦って次の仕事を決めてしまうと、再び退職してしまうかもしれません。
キャリアに傷をつけないためにも、「会社都合退職」に変更できることは大きなメリットとなります。
それでは、次に失業保険の受給条件を見ていきましょう。
【失業保険】退職理由の区分により異なる受給条件
失業保険は、退職理由の区分により受給条件が異なります。
退職理由の区分は、3種類あります。
- 一般の離職者
- 特定理由離職者
- 特定受給資格者
「一般の離職者」の受給条件
「一般の離職者」とは、転職、独立などを目的に自己の意志で退職した方です。
自己都合退職の大半はこれに該当します。
「特定理由離職者」、「特定受給資格者」以外は、「一般の離職者」になります。
ちなみに定年退職も「一般の離職者」扱いになります。
失業保険受給の条件
離職の日以前2年間に、12か月以上の被保険者期間があること。
「特定理由離職者」の受給条件
「特定理由離職者」とは、自己都合退職ではあるが、自分の意志に反する正当な理由がある方です。
失業保険受給の条件
離職の日以前1年間に、6か月以上の被保険者期間があること。
「特定受給資格者」の受給条件
企業の倒産、突然の解雇などにより、転職の準備をする間もなく退職を余儀なくされた方は、「特定受給資格者」になります。
失業保険受給の条件
離職の日以前1年間に、6か月以上の被保険者期間があること。
【失業保険】「自己都合」と「会社都合」の大きな違い
失業保険は、「自己都合」か「会社都合」かで、支給開始時期、支給期間が変わってきます。
自己都合退職(「一般の離職者」)の場合
支給開始時期:失業保険手続きから待機7日+2か月(給付制限)後
支給期間:90日~150日
会社都合退職(「特定理由離職者」、「特定受給資格者」)の場合
支給開始時期:失業保険手続きから待機7日後
支給期間:90日~330日
自己都合退職の場合、2か月の給付制限があり、支給期間も短くなってしまいます。
基本手当の日額は、自己都合退職、会社都合退職、共に同額ですが、受給期間が変わるので総額に大きな違いが生じます。
また、「会社都合退職」の場合、国民健康保険の減額の制度等もありますので、失業中の出費も軽減することができます。
【失業保険】残業時間が多いことで、「自己都合」を「会社都合」に変更できるかもしれない?
本題の「【失業保険】残業3ヶ月連続45時間で「自己都合」を「会社都合」にする方法」について解説していきます。
ここまで読まれた方は、失業保険における会社都合退職がどれだけ優遇されるか、ご理解いただけたと思います。
ところで、あなたは残業がキツくて退職を考えたことはありませんか?
残業ばかりで自分の時間がないという方、大勢いると思います。
そして、残業を理由に会社を辞める方、少なくないと思います。
残念ながら、一般的に、残業の多さを理由に会社を辞めてしまうと、「自己都合退職」として処理されてしまうケースがほとんどです。
しかし、残業時間によっては、会社都合退職となるケースがあるので、そのまま受け入れてしまうと、大損してしまう可能性があります。
特に「これから退職を考えている方」、「既に自己都合退職したが、在職時に残業を多くしていた方」は、ここから先を注意して読み進めていただきたいと思います。
残業が理由で退職した時、なぜ企業は「自己都合退職」とするのか?
残業を理由に退職した場合でも、なぜ企業は自己都合退職とするのでしょうか?
その理由は、企業が残業の多さを理由に会社都合退職とすることで、周囲から「あの会社は、ブラック企業なのではないか?」という悪い印象をもたれてしまう事を恐れているからです。
また、国からもらえる助成金(雇用調整助成金など)についても、一定期間に会社都合退職者を続出させてしまうと、受給するのが不利になってしまうという理由があります。
そのため、会社としては自己都合退職してもらった方が都合が良いのです。
残業時間を理由に辞めたとき「会社都合退職」となる条件
残業時間の長さを理由として辞めた時、失業保険で会社都合退職となる条件は、退職直前の6ヶ月において下記のいずれかに該当するケースになります。
このいずれかに当てはまった場合は、失業保険で会社都合退職となる可能性が高く、退職理由の区分は、特定受給資格者として扱われることがあります。
ちなみにこの条件に出てくる期間、時間などの数値は、労働基準法が基となっています。
【失業保険】残業を証明できる資料をハローワークに提出する。
失業保険が、残業を理由に会社都合退職となるための最終的な判断は、給付を受けるハローワークが決定します。
しっかりと自分が上記の条件を満たしている証拠を提出できれば、「特定受給資格者」となれる可能性が高まります。
残業の証拠として一番良いのは、タイムカードです。
WEB管理されている場合は、スクショを。
紙で管理されているなら、在職時にコピーをとっておきましょう。
しかし、既に退職している場合は、用意できないかもしれません。
給与明細など他の証拠があれば良いのですが、残業時間が記載されている必要があります。
失業保険を会社都合退職としてもらうためにも、何であれ残業の証拠になりそうなものは、とりあえず全てハローワークに提出しましょう。
残業証拠を提出するタイミングは、離職票を持っていく時で大丈夫です。
そのあとは、申立書を書くという流れになります。
【失業保険】残業を理由に「会社都合退職」にするための申立書の書き方
失業保険をしっかりともらうために、ハローワークで在職時に残業していたことを説明する必要があります。
そして、残業を理由として「会社都合退職」となる条件を満たしていることの証明資料を提出した後、申立書の記入です。
申立書は、ハローワークの担当者の目の前でボールペンで書かなければならないので、緊張します。
私は、書面に記入するという作業が慣れていなくて、結構焦ってしまいました(笑)。
しかし、書く内容は簡単!?
- 申立ての理由
- 残業の内訳
私の場合は、直近6か月の間に3か月連続で45時間以上の残業をしたので、こんな感じです。
申立書
直近6か月の間に3か月連続で45時間以上の残業をしたため、離職理由の変更を申し立てます。
残業の内訳
9月 46時間
10月 47時間
11月 64時間
宜しくお願い致します。
ハローワークの担当の方が説明をしてくれますが、慣れていない人は、前もって考えてからハローワークに行きましょう。
申立書は、前職場の最寄りのハローワークに行き、前職場の最寄りのハローワークから前職場に連絡が行くという流れになります。
次に、私が実際に体験したケースを紹介したいと思います。
結果を言ってしまうと、少し珍しいケースですが、残業を理由に会社都合退職に変更することができました。
【失業保険】残業が理由で「会社都合退職」に変更となった私の経験談(残業3か月連続で45時間以上のケース)
失業保険を残業を理由に会社都合退職にできた私の経験談です。
私は、退職届の退職理由に「自己都合退職します。」と書いて、会社を退職しました。
私のケースは、残業3か月連続で45時間以上のケースに該当しました。
過残業が理由で退職理由区分の変更ができることを知ったのは退職後だったので、タイムカードは用意できませんでした。
直近6か月分の給与明細書があったので、タイムカードの代用として提出しました。
しかし、給与明細書には、含み残業の28時間の記載がなく金額しか書かれていません。
含み残業時間を超えた分の時間の記載はあったのですが、総残業時間の証明ができなかったので、雇用契約書も一緒に提出することとなりました。
すると、ハローワークの担当者が雇用契約書を見て、こう言います。
勤務時間は、9時から17時30分の7時間半ですか?
はい。そうです。
これだと、残業時間は、45時間を超えないかもしれません。
労働基準法の残業時間は、8時間を超えた時間となっているので・・・。
ということは、「自己都合退職」となってしまいますか?
たぶん、そうなると思いますが、申立てすることは可能です。
あとは、会社を管轄しているハローワークが前職場に連絡を取って、会社が認めれば、「会社都合退職」として認められます。
ということで、ダメ元で申立書を提出しました。
すると、後日、「認められました。」と連絡がありました。
こうして、私は、給付制限無しに失業保険を受給することができました。
調べたところ、ハローワークにより対応が異なるみたいで、今回のケースは、会社が認めたからという理由だそうです。
今回の件で私が学んだことは、可能性は低くても、とりあえず挑戦することが大事。
あなたがもし、失業保険の残業を理由として「会社都合退職」となる条件を満たしているなら、とりあえず申立書を出してみましょう。
退職する前に知っておきたい裏技
これから退職を考えている方に朗報です!
退職を考えている方は、退職前に残業しておくことでお得に失業保険がもらえるかもしれません。
余力がある方は、下記のリストを実行しましょう!
これらを実行することで、会社都合退職になる可能性が高まります。
忙しい会社に勤めている方なら、「残業を3か月連続で、45時間以上」という条件を満たすことは、難しくないと思います。
また、失業保険の給付額は、直近6か月の給与を基に算出されるので、退職が決まった日から出来る限り残業すれば、給付額を増やすことができます。
参考に失業手当の給付額の計算方法を載せておきますので、ご確認ください。
下記が「残業した場合」と「残業しなかった場合」の比較例です。
例1)退職直近6か月の月収30万円 残業代なし
賃金日額 30×6÷180=1万円/日
基本手当日額 1万円×65%=6,500円
例2)退職直近6か月の月収30万円 残業代3万円
賃金日額 (30+3)×6÷180=1.1万円/日
基本手当日額 1.1万円×65%=7,150円
月当たりの残業が3万円増えるだけで、日当たり650円の差が生まれます。
給付期間は最低でも3か月(90日)はありますので、
650円×90日=58,500円
総給付額が58,500円も増えます。
退職の仕方次第で退職後の収入額は大きく左右するので、残業ができる職場で退職を考えている方は、ぜひ、この方法を頭の片隅に置いといておいてください。
【バックレ厳禁!?】退職したいけど難しい方へ
退職したいけど、退職を会社に伝えるのがしんどい。
ブラック企業に勤めている方だと、退職を切り出すと上司から圧力をかけられてしまう。
そう悩む方もいるかと思います?
しかし、絶対にバックレだけはやめましょう。
無断欠勤、無断退職は、懲戒処分の対象となります。
懲戒処分となってしまうと、失業保険はもらえますが、「自己都合退職」になってしまうケースが多いようです。
せっかく、毎日、プライベートの時間を削って残業をして、「会社都合退職」になれる可能性があるのに、バックレてしまうことで、「自己都合退職」になってしまっては、元も子もありません。
そうならないためにも、しっかりと会社の規則は最後まで守り、退職するようにしましょう。
それでも、上司に退職を伝えるのが難しいという方は、退職代行サービスを使ってみてはいかがでしょうか?
以下の記事で、退職代行サービスについて書きましたので、バックレを考えている方は、読んでみてください。
まとめ
あなたは、なぜ仕事をしているのでしょうか?
生活のためかもしれませんが、無理をするとその生活ができなくなってしまうかもしれません。
なので、今の仕事を続けることが本当にしんどい時は、さっさと退職してしまいましょう。
そのための準備さえしておけば、心配なんてする必要はありません。
日本の企業法人の数は約178万社もあります。
こんなに多くの企業があるので、あなたを今よりも好条件で採用してくれる会社が、きっとあるはずです。
思い悩まず、行き詰ったときは退職して頭の中をリセットしてみましょう。
そうすれば、新しい発見や、新しい出会いがあり、新しい自分を見つけることができるでしょう。
それでは、あなたの幸せな未来に乾杯!!
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